LINEとInstagramにみるITスタートアップ(その2)。


前回はざっくりとウェブサービス企業を収入源で大別しました。

AppleAmazon、eBayなどの企業が抜けているんですけど、ここは更に別のジャンルなので、個人的にはApple、最近は特にAmazonのビジネスモデルが一番興味深いんですがまたの機会に書きます。

英語のクラスで数週間前に中国人の子にFacebookやってるかときかれ、それはいつか聞かれるだろうなーと思ってたしみんなやってるものでしょうしサラッと友だち申請されて終わってましたが、数日前に、

「この中で何か使ってる物ある?」とiPhoneのフォルダに入ってるSNSアプリを見せられて、Skypeなどがあったのはこれもメジャーなの分かってたんで驚きませんでしたが、LINEが入ってたのには「おぉ!」と思いました。


国内ユーザー数2000万、海外ユーザー数3000万なだけありますね。
最近話題のLINEは韓国資本のNHN Japanが作成したメッセンジャーソフトで、主にスマホ間でのグループチャットと無料通話のシンプルなサービスで、特に10代20代の若い世代の人達の普及率は眼を見張るものがあると思います。

LINEはスマホでの使用を前提として、無料通話やチャットなどサービスとしては後発でありながらシンプルな機能にフォーカスしてローエンドユーザーに特化したからこそここまで伸びているのでしょう。
他のFacebookmixiSkypeなどデスクトップでの使用がメインの企業のモバイルへの対応が後手に回っている間隙を縫うような躍進です。

ウェブサービスを製作する人達は日々斬新なUIやUXを持ったサービスをみているから尚の事何かに特化したものを作りがちですが、実際ニッチ過ぎてユーザー数の確保に苦しむ以前に大半の人達は圧倒的に優れたUIを求めていないんですよね。

話題になったり注目されるサービスはひと通り使ってみたりするんですが、最初は「新しいなーこれ」とか「どういう原理なんだろう」とか思っても結局継続して使うことはないんですよね。

iPhoneなどが普及し始めた当初ならまだしも、機種変更するときになんとなくスマホ、みたいな層がボリュームゾーンである今、アプリの高機能とユーザーのITリテラシーや需要の乖離が大きくなっていっていると感じてました。

知らない人が出てくるLINE「知り合いかも?」の仕組み解説まとめ

にあるようにスマホ利用者で原理を全く理解していないから設定などに注意を払えない層がものすごく多いんだなーという。


Twitterのように完全にオープンなSNSに対して実際の社会生活の繋がりを元にしたFacebookというような位置づけですが実のところFacebookはそこまで親しくなかったり会社や学校の知り合いなどと友達になってしまうため、中途半端な繋がりを持つ故に利用が写真の共有など一部の機能に限られている印象です。

そこで元の繋がりをより深めるためのサービスとしてグループチャットという真新しくはないサービスでもスマホでの使いやすさ、ユーザー登録や友だち検索の簡便さによって一般ユーザーを大量に確保していったのがLINEです。

使用デバイススマホ、顧客を一般ユーザーに定めて最適化していったLINEの戦略はここまでは成功してます。
大事なのはここからで、プラットフォーム化、SNS化をどういった順序、戦略で行っていくかでFacebook足りえるのか(そこまでのユーザー数にはリーチしないとは思いますが)、単なるチャットの1アプリとして終わるのかが分かれていきます。


シンプルな機能でエンドユーザーの母数を確保した上で収益化を図っていく典型的な成功例のLINEでしたが、それとは別に特定の機能に特化して「Cool」なサービスをつくるITベンチャーかくありなんといったInstagramについてを次回書いていきます。