ブログ移転します。
元々WordPressでブログを作ろうと思ってたのでキリもいいから2013年からブログを移します。
夜の底が白くなる。
http://from-the-sv.sunnyday.jp/
えびや大賞2012マンガ編
世間ではクリスマスのようですね。僕は今日はキッチンが修理されるから使えないと言われ土砂降りの中20分かけてバス停まで歩き、スーパーまで行ってぐっしょぐしょに濡らして帰ってきた1つしかない靴を乾かそうとドライヤーを使っていたらブレーカーが落ちる、という惨めなクリスマスイブイブを過ごしました。
テレビもないし冬休み中はオフィスに行くくらいしか外出もしてないんでクリスマス感が皆無で、「今年のクリスマス中止」は半ば事実になっています。
そんなことはまぁどうでもよくて。
前にやっていたブログやmixiでなんやかんやと毎年やっているその年良かった漫画、アニメ、音楽、映画、小説などを独断と偏見に基づき勝手に受賞させるえびや大賞2012です。
今年は6月からアメリカに来てしまったので下半期はほとんど無いようなものでした。数々の漫画に映画にライブ、展覧会を見逃し続け忸怩たる思いで過ごしているわけなので今年は少なめです。
本来は漫画であればその年に出た何巻の何話が良かった、何ページ目の構図が良かったと手元の本を参考にしながら細かく評価したいところなんですが残念ながら手元にあるのがiPadの電子書籍で買った宇宙兄弟19巻くらいしかないので作品毎にします。
10作品が候補に上がりましたが、最後の大賞以外に特に順位はつけませんでした。
ちなみにどれも面白いことは保証するので少しでも興味が出たら是非読んでみてください。
前置きが長くなりましたが以下本編。
1.石黒正数「外天楼」全1巻

- 作者: 石黒正数
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/21
- メディア: コミック
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「それでも町は廻っている」が代表作の石黒正数の真骨頂が随所に見受けられるオムニバス形式のミステリーです。
藤子F不二雄や星新一に代表されるすこし・ふしぎの方のSF、日常の中の非日常、非日常の中の日常を描ける漫画家で、「それ町」なども一見すると普通の日常ものに見えるんですが、1話の中の構成や展開のさせ方が本当に上手くて、いつファンタジーの世界観に入ったのか、いつ日常に戻ってきたのか、そういった境目を感じさせません。
また、推理モノ的に伏線が最後に収束されていく話も多く、外天楼では特にその要素が強いです。
外天楼は1巻完結で1話ごとのオムニバス形式で進んでいきます。
1話目は少年たちがエロ本をいかに上手に買うか、とどうでもいいことを大袈裟に展開させていくベタな話かと思うと2話では急に特撮推理モノ、3話は主人公とロボットの話…とバラバラで最初は一つ一つの読み切りを読んでいくことになるんですが途中から「あれ…このキャラさっき別の話で…」「この事件はもしかして…」と独立していたと思っていた話が徐々につながり始め、最終的には1つの収束を迎えます。
小説では描けない漫画的な演出もふんだんにあり、1つ1つの話も短編として面白いんですが、1巻を通して読んだ時にはそれぞれのエピソードが全く違った意味を持ちます。
1度読んでしまうと、まだ読んだことがない人達は何も知らない状態から外天楼を読めるなんてどれだけ恵まれてるんだろうと思ってしまうでしょう。出来ることなら読んだ記憶を消してもう一度読みたいです。
詳しい内容には触れませんが、1巻だけで気軽に読めるので是非。
おそらくシャフトでアニメ化されることになると思います。

- 作者: 阿部共実
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2012/03/08
- メディア: コミック
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外天楼に引き続きこの作品もオムニバスです。
”心がざわつく思春期コミック”と言われるように今まで読んだことのない漫画でなんと形容したらいいのか言葉に困ります。
基本的に1話ごとに主人公やシチュエーションはばらばらで、最初は青春ラブコメ、日常系ギャグなどが続くので油断していると急にホラーやサスペンスがあったり、主人公がどうしようもなく報われないまま終わる話が飛び込んできてとにかく落ち着きません。
人は今まで自分が見てきた映画や漫画などの展開が自然に頭の中にあるのでおおよその展開は予想できます。例えば恋愛映画で主人公とヒロインが中盤で付き合うことになって上手くいっていると、「きっとこの後何かが起こるんだな。」と予想されます。いわゆるどんでん返し的な展開ですら、そういったことがある、と想像の範囲内にある時点で予想されることになり「裏をつかれた」「驚いた」いう感情に繋がります。
しかしこの空が灰色だからではそういった自分の中にある無意識の予想が尽く通用しないので心が「ざわつく」のです。
毎話事前知識がなく、いきなりその話が進んでいくのでそれが楽しい話なのか、切ない話なのかもわからず、その見通しが立ったと思ったときに裏切られる展開に本当になんとも言えない感覚に陥ります。
漫画を読んで感想を聞かれたら「ワクワクする」「感動する」「切なかった」と大雑把に言うことはできますがこの漫画はどの感情でも言い表せません。
自分が体験したことのない感情を試してみたかったら是非。

- 作者: 金田一蓮十郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: コミック
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「ジャングルはいつもハレのちグゥ」を知っている人は結構多いと思います。僕は小学生の頃ジャンプやマガジンではなくガンガン派だったので特にハレグゥは思い入れがあり自分の笑いの感性に強い影響を与えられています。
そんな金田一蓮十郎のライアーライアーは、ギャグではなく恋愛漫画です。
女子高生の格好をして渋谷に遊びにいった20歳の主人公湊は偶然義理の弟の透とぶつかり、知り合いに似ていると訝しがる透にとっさに別人だと嘘をつく。何故か透に気に入られてしまった湊は義弟の女癖を直そうと「みな」として透に関わっていくが…。
という漫画らしいベタな設定で、実際は化粧や服装を変えたところで声や仕草で簡単に分かるものだと思いますがそんなところを突っ込むのは野暮ってものです。
最初は軽い気持ちだった「みな」としての演技も透の本気度から次第に透に惹かれていく湊。
けれど透が好きなのはあくまで自分に似ている(と思い込んでいる)みなであって自分ではない、という葛藤や、クスッと笑えるコメディのバランスがとてもいいです。あとやっぱり金田一蓮十郎の描くキャラって可愛いんですよね。
設定はヤングガンガンで連載されていた、自分の息子には女装して母親だと偽り、擬似同性愛的な要素のあった「ニコイチ」との共通点も多いんですがライアー×ライアーの方はライトで少女漫画らしい読みやすさです。
その辺の学園物の掃いて捨てるほどある少女漫画よりよっぽど面白いです。

- 作者: 堀尾省太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/30
- メディア: コミック
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この作品も「読んだことのない」漫画です。ストーリーの説明が難しくて、人に薦める時は最終的に「ごめん、とにかく読んで!」となってしまいます。
佑河樹里はニートの父・兄と隠居の祖父、母、シングルマザーの妹と甥と共に暮らしていた。ある日、甥と兄が幼稚園からの帰路の途中で誘拐され、犯人から樹里・父の元に身代金要求の電話が掛かってくる。犯人の要求する身代金の受け渡し期限までは30分しかなく、間に合わないと悟った樹里は犯人と刺し違える覚悟で2人の救出へと向かう決意をするが、その時、祖父が佑河家に代々伝わるという止界術を使い、時間を止めてしまう。人も物も森羅万象が止まった止界で樹里たちは2人の救出へと向かうが、向かった先で自分たち以外の動く人間たちに遭遇、急襲される……。(wikipedia)
これだけ読んでも恐らく全然伝わらないんですよね。
大筋としては主人公の一家がある事件に巻き込まれ、止界という時が止まった世界の中で繰り広げられる物語で、止界の中で止まっている人間を殺そうとすると現れる異形の神ノ離忍や、一部の者が持つ特殊能力での攻防などファンタジーバトル的な作品に聞こえてしまうんですが本質はそこではありません。
それぞれの思惑や心理戦などが絡まり進んでいく話の展開が予想できず面白いです。
まさかそんな展開に!!!といったような驚きとは違うんですが、どうなっていくのかが気になってページをめくる手が全く止まりません。青年誌なので多少グロテスクな描写もありますが、ここ数年読んだ漫画や観た映画の中でも断トツで気になる展開です。
今はとにかく早く6巻が出て欲しいです。

- 作者: 小玉ユキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/12/05
- メディア: コミック
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2009年のこのマンガがすごいオンナ編で1位を獲得し、小学館漫画賞も受賞している作品なので有名でしょうか。
今年出た9巻をもって完結し、夏からはアニメ化もされました。
1966年の初夏、横須賀から長崎、佐世保に転校してきた薫が転校初日に出会ったのはバンカラの千。二人の出会いをきっかけに始まる友情と恋とジャズの物語です。
60年代、地方の高校、ジャズ、友情、恋愛。これで面白くならないはずがないですよね。
特にアニメはカウボーイ・ビバップでの渡辺信一郎監督、音楽菅野よう子のタッグで話題になり、本当に素晴らしい出来でした。
これはえびや大賞アニメ編で詳しく触れることになりますが、映像としての美しさに加えてとにかく音楽、演奏シーンのクオリティが圧倒的です。学園祭でのライブシーンはよくアニメでもありますがアポロンの演奏シーンは笑っちゃうくらいすごいです。
ここまで直球の青春漫画はかえって新しく、女の人はもちろん男も読んでも十分面白い漫画です。

- 作者: うめ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2007/03/24
- メディア: コミック
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2012年マンガ大賞で2位を獲得した大東京トイボックスは、ゲーム業界漫画の東京トイボックスの続編です。
前作での主人公だった大手ゲーム会社ソリダスを辞めゲーム会社G3を設立した天川太陽に代わり、新入社員の百田モモの視点で描かれていきます。
ゲームが制作される過程やそれに携わる人達など業界漫画としての面白さはもちろんあるんですが、新たに加わった空回りすることも多いけどとにかく情熱的なモモによってG3に新しい流れが入っていく展開でさらにストーリーが加速した感じです。
社会人としての妥協とそれに抗う情熱やこだわりなど、今一番熱い仕事漫画です。

- 作者: 村田雄介,ONE
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/12/04
- メディア: コミック
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となりのヤングジャンプで連載されているWeb漫画で、ONEの人気作品だったワンパンマンをアイシールド21の作画の村田さんがリメイクしているものです。
先日1,2巻が同時発売された、どんな敵も1発のパンチで倒してしまう最強ヒーローのサイタマが主人公のギャグ系アクション漫画です。
どんなに強力な怪人も怪獣も悪の組織もパンチ1つで倒してしまいますし本来ギャグ要素が強いんですが、村田雄介版ワンパンマンはとにかくかっこいいです。
村田さんの絵はただ上手いだけではなくて躍動感があるし、あっさり負けてしまう敵キャラや他のヒーローのキャラクターデザインも細かいしクールです。
アメリカンコミック的な造形とギャグ、それを引き立たせる圧倒的な画力。コマ割や構図も色々工夫されていてハリウッドのアクション映画のような迫力があります。
となりのヤングジャンプで漫画は読めるので興味があったら是非。
http://tonarinoyj.jp/manga/onepanman/
8.高橋ツトム「ヒトヒトリフタリ」4巻

- 作者: 高橋ツトム
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: コミック
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釈由美子主演でドラマ化もされた「スカイハイ」で知られる高橋ツトムの連載作で、霊界から人間界に守護霊として送られたリヨンが憑いたのは余命僅か1年半の日本国総理大臣だった…。という霊界作品です。
自らの寿命を知り、リヨンと共に日本を立てなおそうとする春日総理とそれを阻もうとする思惑など、ベースとしては比較的よくある霊魂だったり守護霊に政治というものを合わせているんですが、なによりその政治の部分が3.11や福島原発などこれは大丈夫なのかと読んでいる側が心配になるほど思い切って踏み込んでいます。
先の総選挙で自民党に政権がまた戻りましたが、この「リーダー不在」の国に提示される様々なテーマがあります。
やっぱり青年誌の漫画は色々バリエーションがあって面白いですね。
9.モリタイシ「今日のあすかショー」3巻

今日のあすかショー 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: モリタイシ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/08/12
- メディア: コミック
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サンデーでとある高校の柔道部の青春ラブコメギャグ漫画「いでじゅう」を連載していたモリ先生が月刊!スピリッツで連載している、少し天然な美少女中学生あすかを中心にしたショートストーリー作品です。
詳しい説明は要りません、とにかく可愛い!モリタイシ以上に可愛い女の子を描ける漫画家がどれほどいるのだろうと思うくらい可愛いです。
ちなみに個人的にはいでじゅうのももちゃんを超えるヒロインは未だ現れていません。
そんなモリタイシの魅力が存分に生かされている漫画です。そんな子いないと分かりつつも男の子のツボにはまるあすかの魅力でいっぱいです。
そして最後は大賞です。
2012年、えびや大賞を受賞した漫画はー
でん、でけでけでけでけでけでけでけでけでん!
吉田基已「夏の前日」3巻

- 作者: 吉田基已
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/02/05
- メディア: コミック
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芸術大学で油絵を描く哲生が出会った年上の女性、晶との「甘く切なく擬しい、ふたりの長い夏の前日」です。
感想は以前書いたのですが。
「夏の前日。」
http://d.hatena.ne.jp/ebiyann0701/20121012/1350029879
やっぱり今年読んだ中で個人的に一番「好きな」作品でした。
情緒的なタッチの絵と、二人のもどかしい関係性、そして晶さんの可愛さと美しさ・・・
高校が舞台の恋愛漫画が多い理由はいくつかあると思うんですが多分1番はプラトニックな恋愛でも違和感がないぎりぎりの所だからで、実際大学や社会人になってからの恋愛もので、ボーイズ・オン・ザ・ランみたいな童貞ものでもない限りいちいち手をつなぐかどうかとかそういうところが主題にはなってこないんですよね。
少女漫画の高校生たちは少しすれ違ったり恋人に別の異性の影が見えたら自分の感情をぶつけて口論して仲直り、っていうこともできますけど、もう少し年をとった時の恋愛はもっと割り切れない感情や状況を抱えながら進んでいくほうがリアルで、そういった大人の打算的な考えとそこに対する自己嫌悪など心情描写のバランスの取り方が好きです。
自分なしじゃ生きて行けなくなって欲しいと望む一方で、芸術家としての孤独、孤高を失わないで欲しい、そんな相反する感情を持ちながら哲生に対する晶さんの魅力や絵以外では上手く自分の気持ちを表せないことへの哲生の苛立など、綺麗で落ち着いたトーンで進む二人の夏の前日を是非多くの人に読んでもらいたいです。
長くなってしまいましたがいかがでしょうか。
ここに挙げた作品はどれも男女問わず「面白い」と感じてくれると思います。ワンピースや君に届けみたいなメジャー作品の面白さもありますが、漫画は本当に裾野が広く、今までこんなの読んだことない!っていうものがまだまだ沢山あります。
そんな作品に出会う一つのきっかけになってもらえると嬉しいです。
読んだら是非みなさんの感想も聞きたいです。
おまけ
来年日本に帰ったら読む漫画リスト
式の前日/東京ラストチカ/路地恋花/まじめな時間/モンタージュ/ボールルームへようこそ/34歳無職さん/ごっこ/魔法のつかいかた/恋愛スイッチ/俺物語
これらの漫画を読んでて「面白かった」「つまらなかった」などあれば教えて欲しいです。
便利は情緒を駆逐する。

photo by yamakazz
「便利な世の中になったもんだなぁ」
先日行ったサンフランシスコのカフェで「おすすめは何?」と店員さんに聞いた。
「エスプレッソかカプチーノね」「じゃあカプチーノで」と注文してクレジットカードを渡すとレジについているカードリーダーに通された。サインをしてチップを選択し、横で待つように言われる。
ラテアートを崩さないように慎重にカプチーノを運びながら便利な世の中になったことを実感した。
一見なんの変哲もない普通の会計だけど、実際はレジがiPadでカードはそこについているSquareに、最後のサインもチップもiPadの画面で完結するという流れが当然の様にあり、テクノロジーがもう意識されず日常に同化しているなーと感じさせられました。
この10年だけを見ても本当に色々変わりました。
メールと電話と着メロくらいしかなかった携帯電話は今や音楽を聴き、Youtubeで動画を見て、撮った写真をその場でFacebookにアップし、地図もニュースも見られるものになりました。
Suicaをかざせば改札は開き、地球の裏側にいてもSkypeでビデオ通話ができる。
コンビニで電子マネーが使えればAmazonで店に行かなくたって買い物ができる。
日々少しずつ進化するテクノロジーが1度生活に溶けこんでしまうとそれ以前の世界が想像するのが難しくなります。
5年前に新しく出会った人と赤外線でメールアドレスと電話番号を交換していた頃に、FacebookやTwitterで”繋がる”という感覚を想像することも難しいでしょう。
それほど技術の”以前”と”以後”は別物なんですよね。
色々なことが様々な形で便利になっていきます。
でもその裏で失われているものもあるんですよね。
これはものすごく主観的で感情論なんですが、テクノロジーの進歩による最大の喪失は「情緒」だと思います。
情緒。
これは以前と以後を知っているかどうか、それをどう捉えるかによっても変わってくるのですが、例えば「年賀状がメールやSNSでのやり取りに代わること」に寂しさを感じる人は結構多いんじゃないでしょうか。
筆不精で高校の時に「年賀状、出さないから」と宣言してから1枚も書いていない僕が言うのもなんなんですが。
例えば「同窓会の出欠確認の手紙がFacebookのグループメッセージで届くようになる」
例えば「お爺ちゃんからもらうお年玉が電子マネーでのやりとりになる」
例えば「好きな子にプレゼントする自分が好きな本を電子書籍のデータで渡す」
これらのことはドライに考えるなら便利で効率的で余計な手間もいらないし環境にもいいのはわかるんですがなにかが違う気がしてしまいます。
子供の頃からSNSやメールが当たり前に存在して、写真も音楽も映画もデータで消費する世代にとっては不自然には思わないだろうし当たり前に感じるんでしょうけど、少なくとも年賀状を印刷して、あけましておめでとうの言葉をまだ明けてもいない12月に書いてポストに投函し、正月の朝に郵便受けに取りに行き自分にはどれだけ来ているだろうかと期待しながら家族宛の年賀状と自分のを選り分ける経験を知っている僕達にとってメッセージでの明けましておめでとうはどこかしらの寂しさを感じてしまいます。
「これ面白いから読んでみて!」そう言って気になる子に貸した小説や漫画が返ってきた時にページの間に挟まれた小さな手紙に書かれたお礼の言葉に感じるときめきや、地元の小さな駅から上京する友人が少し折れた切符を持って改札に向かう時の寂寥感、ぽち袋に入れられたお年玉をいくら入っているんだろうと考えながら開くときのわくわく感に、大好きな歌手のCDを買って歌詞カードを開いてCDデッキに入れる時の高揚感、そういったものがなくなるっていうのはなんだかなーと思ってしまいます。
僕はSFとかテクノロジーが好きなので、iPadでニュースを読み、そこに載っている動画をそのまま再生して、という流れに、それは2000年に制作されたジュブナイルで描かれた20年後の未来のデバイスと変わらないじゃないか!と感動したりSquareは財布を出すという決済の行為そのものを変える可能性がある!とわくわくしたりするんですがその一方で情緒というかドラマ性というか、そういったものが失われていくことの悲しさも同時に感じます。
往復はがきで出した同窓会の出欠確認の手紙が返ってきて昔好きだったあの子はくるのかな?と思いながらハガキを裏返すのが演出的に映えるんであってFacebookでみんなに「同窓会出れる人教えて(^O^)」って投稿した数分後にポコンッ「参加します」っじゃないんだよ!っていう。
「お爺ちゃん明けましておめでとう!」「はいはいおめでとう。今携帯にお年玉送るからね、」ッシャッリ~ン\10000円入金されました/っじゃないじゃん!っていう。
情緒、というものは不便さや手間に宿るんだなーと言う事と、こういったことを上の世代だけじゃなくてテクノロジーに自然に触れてその恩恵を最大限享受してきている20代も相当数感じていると思うんですが、それは特にここ数年変化を当たり前だと感じる価値観が追いつけていけない程に技術的な進歩が加速しているんだと思います。
Twitterで面白い出会いがあったりFacebookで以前なら卒業した後連絡がつかなくなっていた友人の近況を知れたりと新しい価値観や生活スタイルが生まれていってどんどん便利になっていく世の中の裏で失われていくもの達をたまに進歩の足を止めて振り返ってあげたいなと思う今日この頃。
いつだって隣の芝生は青い事を知る。

photo by birdfarm
シリコンバレーに来てから色々な人に会うことができています。
スタートアップのCEOや有名なエンジニア、ベンチャーキャピタリストやデザイナー、日本の大学を休学したり高校卒業後そのまま渡米してきた学生…。
FacebookやTwitterなどのSNSを使ってどんどん人に会う行動力のある人達も多いです。
僕は別段人見知りではないし元来おしゃべりではあるんですが、相手に自分が提供できるものがあるのか、と考えてしまう節があるので自分から連絡をとる時は断られたらと考えて、外堀を埋めながらになってしまいます。
それでも有り難いことに普段のブログやTwitter、1度お会いした人からの紹介などで「1度会ってみませんか?」と声を掛けてもらえることが多いです。
シリコンバレー留学も半年が過ぎて年内に改めて振り返ろうと思いますが、こっちに来て1番大きな価値は日本にいたら簡単には出会えない人達と繋がりやすいことです。
ただ、そういった人達と会うとある種の劣等感とも焦燥感ともつかない気持ちを抱きやすくもなります。
シリコンバレーにいると、やはり圧倒的にプログラミングが出来る人が多いのでまずプログラマーか否か、となります。
一応一通りJavaScriptやPHP、CSSなどの基本はやったので最低限のことは分かるんですがプログラマー同士の本質的な話には入っていけません。
そしてもちろんスタートアップのCEOでもなく、スタンフォードのビジネススクールに通ってるわけでもなく英語も中途半端なただの学生だということを実感します。
会社を作ったわけでも新しいプロダクトを作っているわけでもない。ただの学生。
そういう時に焦りを感じることも多いです。
ただ、そういった時に意識するのは隣の芝生は青いということです。
人と会うとどうしてもその人の持っているスキルや才能などに目が行き、自分にはそれが無いという風に感じてしまいがちです。
ネイティブレベルに英語が話せる、プログラミングが出来る、デザインが出来る、自分で会社を作った…。
それでも反対に人から見たらうらやましがられることも多々あることに最近気が付きました。
自分にとって起業と英語を学ぶために大学を辞めてシリコンバレーに直接来たっていうのは当たり前のことで意識するようなことではなかったんですが、よくそんな決断をしたねと言われます。
それは先日書いた記事にもあるように自分なりにリスクとリターンを考えた上でのことなんですが。
そして21歳という年齢は自分が思っている以上に大きな価値らしいです。
大学を辞めたこともある意味でフットワークの軽さに繋がっていて、休学などをしていると就活との時期や単位、卒業の時期などを考えなければなりませんがそういった心配の必要もなく、来年は日本に帰国する前にNYに1ヶ月ほど滞在してその後ヨーロッパを回ってから帰ろうと計画することも出来ます。
今のところは日本に帰ったらそのまま日本で仕事を、と考えていますがそのまま来年大学2年生としてシリコンバレーに残ることも4年制の大学に編入する道もあります。
時間と労力とお金とやる気の問題でそれはほぼありえないんですが。
そういった意味で30歳、40歳になってからや結婚して子どもがいたりした場合に簡単には取れない選択肢を持てているということはそれ自体で大きな強みにもなり得ると思います。
しかし、プログラマーの方などをみていると特に感じるのは1つの事にひたすら向きあって辿り着くことができるスペシャリストへの羨望があります。
自分の性格的に1つの事に集中することより色々なことに興味が向きがちなので時間を忘れるほど熱中できることがあることが羨ましく思えることがあります。
それでも逆に、視点を変えると自分だってただぼーっと21年生きてきたわけじゃないことに気が付きます。
漫画や映画、小説、音楽やお笑い、ラジオなどサブカルチャー全般や心理学や経営学、進化生物学や宇宙など文系理系問わず学問的な興味は広く、カメラ、スノーボード、ギターなど趣味も多いからこそ見えてくることがあります。
1つの映画を観るときに、ただその作品が面白いかどうかだけではなく他の映画や漫画、音楽の影響など様々な視点から見ることで何千本も映画を観てきたスペシャリストには見えないことが見えたりすることもあります。
スペシャリスト的な生き方をする人達は反対に自分の視野が狭いと思っていて、他の分野のことなどを網羅的に押さえるジェネラリスト的な生き方に憧れることもよくあるようですし、結局はお互いないものねだりなんですよね。
自分が欲しいものを他の誰かが持っていても、他の誰かが欲しいものを自分が持っている。
そういうことを意識するだけで余計な劣等感を感じる必要はなくなります。
例えば同じ年で1万時間プログラミングに当ててきた人や、流暢に英語が話せる人がいたとして、その人達と同じだけの時間が自分にも与えられてきた以上、自分にも何か他の人が持ち得なかったことを持っているはずです。
それはもう生き方の違いでしかなくて、スペシャリストの人達は刀鍛冶などのように1つの事に打ち込み続ける職人、いくつかの分野を横断的に知る人達は画家であり科学者であり哲学者、のように複数のスキルを持つルネサンス期の芸術家のようにそれぞれが持つ役割が違うだけです。
そこで安心するのではなく、劣等感や焦燥感などネガティブな感情で人に影響されず自分なりに努力できるために。
隣の芝生が青かろうが、自分の芝生を育てることに集中すればいいんだと思います。
焦らずに進んでいく中で自分にしかできないことを見極めていきたいです。
THE MANZAI2012に見た3つの漫才の形。
THE MANZAI2012面白かったですね。
テンダラーはどうしても去年の「必殺仕事人」のイメージが強いのと、観客の期待もあった上での仁義無き戦いの歌ネタだったけどもうあれは芸歴分しっかりしたネタでした。
ウーマンラッシュアワーはバイトリーダーとかの早口ネタがメインでそれはそこまで面白くはないなって思ってたけどTHE MANZAIでのネタは最近主軸にし始めてた人間として最低な言動を笑いにするっていう形に加えて前半で振ったボケを後半で一気に回収していく4年目とは思えない構成のしっかりしたネタ。
オジンオズボーンは春日のテンポいいバージョンみたいな感じでボケの手数と雑さで一般受けはよさそうでした。
磁石は昔から実力があるのに報われなかったけど今回のネタは磁石らしいオーソドックスな形。
トレンディエンジェルは番組的に1組は欲しいイロモノ的な役割を果たしてました。
全体的に色々な種類の漫才があってそれぞれよかったんですが3組だけ別格でした。
決勝進出はできなかったけどNON STYLEのネタはやっぱりすごかった。
一見するといつものオーソドックスなNON STYLEのネタに見えるんだけど、実際は違ってて、
「男同士の友情っていいよな。チームを去るピッチャーを引き止めに空港に行くキャッチャー」っていう形から入っているから、井上の目的は石田を引き止めるところにあるんだけど、それを「おい石田お前どこいくねん」っていう最初の振りから全てボケられて辿りつけないっていうのがすごい。
普通1ネタの中に序盤で説明、中盤でいくつか同じ場所でボケたら次のブロックに進んで最終的にオチっていう形をNON STYLE自身もとってきていたけど、このネタは全て同じ場所でのボケだから絶対に本来ならくどくなるけど、途中から「ボケが多い」っていう進行の出来なさ自体をつっこんで、そこから進まない事自体を笑いに変えることができるのはNON STYLEだからできる技術なんですよね。
1つ1つのボケの面白さに後半畳み掛けるテンポの良さっていう今までの持ち味に加えて1つの場所に留まり続けるっていう全体を通して貫かれたボケがあって新しかったです。
ハマカーンは多分お客さんも今までレッドカーペットとかで見てきた形のネタになるかと思ったらスタイルを変えてきてて、それが本当に上手くはまっていました。
「女子っぽい」神田のボケに翻弄される浜谷が、ボケも兼ねるツッコミでっていう自分たちの正解を見つけた感じ。
一度神田のボケがおかしいと思わせて笑いをとった後にそれを正当化させてもう一度、っていう形がうまくハマって1つのボケに対していくつもの笑いを重ねていくのがよかった。
そんな中でもTHE MANZAI2012で最も観客の心を掴んだのは間違いなくアルコ&ピースでした。
NON STYLEのネタは劇場で見てもテレビで見ても多分同じだけ面白い安定感のあるネタだったのに対して、アルコ&ピースはあの舞台でしかあれだけの笑いに繋がらなかったなーと。
最初の紹介VTRで去年のTHE MANZAIに出たものの仕事はなくて子どもの学資ローンにも入れずもう芸人を辞めることも考えていた、っていうのを流すとどうしてもその重さが笑いを最初妨げてしまいがちなんだけど、実際に1本目のネタはその重みがあったからこそ「忍者になって巻物を取りに行きたい」といった相方に対して真剣にそんなことをやるなら芸人を辞めてしまえっていう説教がどうしようもなく面白かった。
あのネタのすごいのは「忍者になって巻物を取りに行きたい」「城の門番をやって」の2つの事だけで展開させていってるんですよね。
審査員も「禁じ手」「2本目では使えない」って言っていたように本来あるシチュエーションを演じる漫才っていう形を現実の物として否定していくあの形はどうしても1度しか使えないから本当に面白かった分2本目は厳しいなーと思いました。
そういうプレッシャーの中始まった2本目のネタも「パイロットになりたい」という相方を責めるネタで最初はみんなが「あー、結局この形なんだ」と思って序盤は笑いが少なくなったんだけど、中盤からさっきと形としては同じなんだけど展開のさせ方で上手く裏切って完全に観客を掴んでました。
もちろんネタ自体も面白かったけど、それ以上に今まで売れてこれなかったという現実、紹介VTR、THE MANZAIという一世一代の舞台、という様々な要素が合わさってあの笑いに繋がったわけで、こういうその場でしか生まれ得なかったネタがあるから賞レースは面白いなと毎回思います。
Perfume文化庁メディア芸術祭大賞受賞の理由。
Perfumeが文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門の大賞を獲りました。
メディアアーティストの真鍋大度さんが手がけるPerfumeの海外展開用サイト「Perfume official global website」でPerfumeの実際のダンスをモーションキャプチャしたデータと中田ヤスタカ作曲の音源を無償配布していて、その2次利用まで含めた創作に対する賞の授与だそうです。
かっこいいので是非パソコンからみてください。
http://www.perfume-global.com/
Perfumeはもちろん大前提として3人のキャラクターなどが魅力としてあるんですが、それを支える作曲の中田ヤスタカさん、振り付けのMIKKOさん、PV制作の関和亮さんといったトップクリエイターが本当に豪華で、様々な要素が合わさって成り立つPerfumeはいくつもの視点からアプローチできます。
関和亮制作のPVは個人的にどれも好きで前に簡単に書いたこともあります。
「関和亮さん。」
そんな中でも真鍋大度さんが加わってからのPerfumeはさらにすごいことになってます。
もしこの動画をまだ見たことがなければぜひ見てみてください。
冒頭からホログラムで映される映像に、現れたPerfumeの3人も立体映像。
そこに本物が登場し6人での踊り…。これだけで衝撃だったんですが、6分後半から3人の手の動きに合わせて動く立体、何も無いはずの空中に浮かぶ操作盤を弾いて出てきた「Hurly Burly」の文字。この流れは鳥肌です。
技術的には3Dホログラフィックに指先についたセンサーから受けた動きをリアルタイムで映し出しているんですが、こういうのって技術先行というか、「今の技術だとこういうことができます」から始まって少し演出的に浮いたりすることが多いんですが、この氷結サマーナイトでのライブではこれだけ先進的な技術もライブを効果的に見せて特別な体験にするためのひとつの要素でしかないんですよね。
Spring Of Lifeもやっぱりすごいんですよね。
大衆にも受け入れられるテクノポップ、機械的なダンス、無機質なイメージ、世界観を作りながらもそれとは正反対に明るい人間味のある3人、ってものすごい絶妙なバランスで組み上げられているPerfumeはのっち、あ〜ちゃん、かしゆかの三人を指すのではなくて、才能あるクリエーター達の共同創作物なんですよね。
こういう音楽や踊りに先端的な技術を入れてエンターテイメントに昇華させる総体的な体験のデザインができる稀有な存在のPerfumeに相応しい受賞ですね。
次はどんなことでまた驚かせてくれるのか楽しみです。
就活をしないという選択肢。

photo by i_yudai
気がつけば今年ももう12月です。
12月はとりわけ師走と言われますが他にも色々別名があるのをご存知でしょうか。
黄冬や限月、氷月や親子月など様々ありますが春待月、というのも12月の異名です。
旧暦では12月は現在の12月下旬から2月上旬にあたるのであともう少しで来る春を待つところから来たんでしょうね。
一方現在の春待月は1年半後の春を目指して始まるようです。
今年も例年のように就活サイトのサーバーダウンを号令に2014年卒の就活が一斉にスタートしました。
昨年までは合同説明会に何千人もの就活生が黒い髪に黒いスーツでぞろぞろ並んでいる映像をニュースで見ながら「たいへんそうだなー」とぼんやり見てましたが、今年は少し認識が違います。
そもそも浪人してるから1年ずれるしそれ以前に大学入ったけど中退してるわけで、っていうか今シリコンバレーにいますし日本の就職活動とはまぁビックリするほど僕は縁がないんですが、同級生が就活をするっていうのは色々考えさせられます。
こないだ高校卒業したと思ったら今度は社会人になるだなんて月日は百代の過客にしてなんたらかんたらですね。
就活、というものに限らず僕達の世代は一世代前、二世代前の若者に比べて自分のキャリアプランニングを真剣に考えなければならない状況にあります。
少子高齢化による社会保障、年金などの問題に労働人口の減少と合わせてほとんどの分野で市場が縮小していくことは明白にも関わらず、99%の日本人は英語は話せず日本国内だけで生きている現状。
ネットでの選挙活動というどう考えても誰が見ても当然と思えることにすら適応できない政治。
ネット、流通の発達で進むグローバリゼーションで国内市場もAppleやSamsunと戦わざるを得なくなったソニーやパナソニックなどのかつて絶対に安泰だと思われていた大企業は既にぼろぼろなのを目の当たりにしています。
きっと今、これから数年後に最も困るのは大企業に入り安泰だと思っていたものの社内でしか通用しないキャリアを積んできて後戻りの出来ないところまでいってしまった40代前後でリストラや倒産で急に会社から放り出される人達なのでしょうけどその辺の世代論はその年代の人達によるものが沢山あるのでそちらに譲ります。
今ちょうどその渦中にいる当事者としての目線から見る就職というものについて考えたいです。
先にも書いたように僕達の世代には高度経済やバブルの時代のように今日より明日が良くなっている、という明るいイメージはありません。
僕が生まれた1991年にバブルは崩壊し、小学校で最初に覚えた経済用語はデフレでした。
"ゆとり世代"と揶揄されますが、上の世代との価値観の違いは縮小していく経済の中にありながら、ゲームや娯楽は十分にあり、携帯電話やインターネットの普及も相まって多くのお金がなくても物質的には豊かで大きな危機感を抱き辛いという側面が大いに影響していると思います。
そして大企業に入ったからといって安定が約束されるわけではないと先行きの不安さが叫ばれながらもいざ自分たちが就職するとなると、結局は目先の安定を望み、みんなが知っている大企業へ大量のエントリーシートを書き、それが通らないと新卒一括採用が悪いと声高に責任転嫁をしているように感じます。
今までは大学を卒業すればほとんどの人達が問題なく見つけられていた就職先ですが、内定率は低く、その後も保証されなくなってきた中でもう少し他の選択肢を取るべき人がいるんじゃないかと思います。
20歳前後の4年間という貴重な時間を使い、本格的に学問を究める前に始まる就活で自分の仕事を考え、少しでもよく見せようとサークルの経験や学生団体、ビジネスコンテストなどどこにでもあるような経験を就活マニュアルに沿って美辞麗句で飾り立てるようなことをするために大学ってあるものなのか?と。
「留学を考えているけど就活の時期と…」「休学したいけど…」とよく聞きますが本来自分がやりたいことをするための大学なんじゃないんでしょうか。
やはり本来の大学は学問のためにあります。大学全入時代と言われ、かなりの割合の大学生は学問を行える資質を持っているとは信じられません。そんな人達に上辺の○○学を教えて卒業させるよりは職業訓練をしっかり行わないとどうしようもないです。もう社会に十分な受け皿はないのだから。
これはあまりポジティブな話ではなく、今まではあまり深く考えなくても日本の経済力でなんとかなっていた「普通」の人達はもっと真剣に生き方を考えなければ本当にどうしようもなくなる日がある日突然来るんじゃないかと。
反対に優秀な人達にはただいい企業に入るためのモラトリアムとして大学に入るのはもったいないし、本当に勉強したい人達にはもっと集中して勉強できる環境としての大学は重要だと思います。
自分にとっての大切なモノや優先することを考えた上で公務員試験を受けることは悪いとは思いません。
しかし、なまじ優秀だからそこまで苦労せず就職をできる人こそ、一歩立ち止まってそれでいいのかを考えてみて欲しいです。
僕自身の話をすると、大学を辞めた話をすると「もったいない」とよく言われます。
けど何も後悔はありませんし中途半端に卒業するくらいなら大学はやめたらいいと思ってます。
それは最初から自分が起業やベンチャー企業志向でしかなく、4年という時間と何百万円というお金をかけて得る学位という保険が少なくとも自分には割りに合わないと思ったからです。
よくそんなリスクを…って思われても僕にとってはこれが最大のリスクヘッジで、大企業は組織としての大きさ故にシステムとして誰か一人が欠けても回るようにできていて、その一員として働くのはメリット以上に中途半端な安定による危機感の欠如のデメリットのほうが怖いんです。
無闇に行動しているのではなくて自分の中の心理的な保険がいくつかあり、仮に起業をして失敗しても死なない。
むしろそこで得られるもののほうが大きい。もし同じ失敗をするとしても若い内の方がダメージが少ない。
そして大前提として自分の能力に対する自信があります。
企業に就職することになったとしても採用の目線から見てただ普通に大学に通ってきた人と自分の道を選んで行動してきた人のどっちが欲しいかと考えたら自分に意思と目的があって行動している限り大学を辞めることが特段のリスクになるとは思えません。
最初から大学に行かない、ではなく辞めたらいいというのは大学試験に合格しているというのは最低限の証明になるから、っていう少し姑息な部分もありますが。笑
医者や弁護士など資格が必要だったりするものはどうしても大学に通う必要がありますが、自分のやりたいこと、目指すものがある人にとってはインターネットがある以上いくらでもやりようはあります。
自分の能力、意思に自信がなくて安定を望むならそのまま毎日就活サイトをチェックすればいい。
危機感があるなら手に職をつければいい。
自信があるなら言い訳をしないで行動すればいい。
僕自身これからどうなっていくのかは全く分かりません。
一昔前は上手く大学、就活、大企業という流れに乗ってしまった人と途中で違う選択をした人たちとの差はきっとほとんどの場合埋まらなかったんだと思います。けど今は違います。同じだけ安定しないのなら自分が本当にやりたいこと、自分の生き方を真剣に考えて行動する方がいいんじゃないでしょうか。
ピンチにはそれだけチャンスがあります。日本の未来がどう言われようが必ずチャンスはあります。
ライフネットのように寡占化していた生命保険という業界でも成功できるし、個人でもニコ動から有名になる人もいれば、Facebookを作ることだって不可能ではないんです。
突き抜けた能力や運、諦めないで続ける意思、ひたすら積み重ねる努力など、人と違った生き方を選ぶということは色々な困難が伴います。自分がやりたいことを選べば毎日が楽しくなるわけではなく、挫折や悩みなどがついてまわります。
それでも何も考えずひたすらエントリーシートに本気で思ってもいない志望動機を何十回も書くよりも行動すべき人達がいると思います。
いずれにせよ不安定ならそれを楽しめる道を選びませんか。
1年半後の春を待つより今日の1歩を今までとは違う道に足を向けてみませんか。
僕たちはそういう時代に生きているんだから。
