500Startups.

ホワイトボードに何気なく書かれていたこの一文からシリコンバレーの文化が伝わってくる。
「Remember: You're Living The Dream!」

次の日にはサラッと消されていたこの文字があったのはシリコンバレーはマウンテンビューにある一番高いビルの最上階、12階ワンフロアの500Startupsのオフィス。

個人的に紆余曲折があった末に現在この500Startupsに入ってるスタートアップでインターンをし始めました。
その辺の話はそのうち詳しく書こうと思います。

500Startupsはスタートアップに興味があればY combinaterと並んで説明する必要もないインキュベーターですが、意外にIT好きでも知らなかったりするのでその辺自分なりに噛み砕いた記事も更新します。
大雑把に言うと創業間もないベンチャーに投資をするだけじゃなくてオフィスの提供とか先輩起業家、投資家、著名人などの人脈の提供をして一定期間内でスタートアップをがんがん成長させるプログラムの主催者、っていう感じです。

500では"バッチ"と呼ばれる4ヶ月のプログラムの中でプロダクトやサービスに磨きをかけて最終的にデモデーでプレゼンをして新たな投資を募ったり収益を上げていくことを目的に30前後のスタートアップが入ります。
それに加えてそれまでのバッチの企業もそのままオフィスに残ったりしています。

いつか実際に見てみたいと思っていたオフィスにまさか通うことになるとはシリコンバレーに来た時ですら想像もしていませんでした。

基本的にアーリーステージの企業が中心なので大体のチームが3人前後から多くても6,7人といった感じで、ある程度の人数になったりするとオフィスから出て行くようです。

オフィスは1フロアで、エレベーターを上がってiPhoneアプリでロックを開けるとまずはキッチンと広場(?)があり、冷蔵庫に入ってるジュースは飲み放題で、ジュースは切れてもビールは常備されてます笑

広場(?)はプロジェクタとホワイトボード、椅子が適当に置かれていて、基本的にはそこでちょっとしたSkypeなどをやっているくらいで人は多くはないんですが、毎日お昼時になるとUIデザインや財務、起業にまつわる話などの"授業"が開かれていて、バッチ中のスタートアップの人達がケータリングのご飯とMacBookを片手に話を聞いています。

オフィスはいくつかのブロックに分かれていて机と電源があるだけで隣のスタートアップとを分ける仕切りとかはないのでどこからどこまでがどこのメンバーなどはパッと見では分かりませんが、MacBookに貼ってあるその会社のステッカーなどで見分けます笑

そんなオープンな環境なので、エレベーターが12階で一緒だった時、ドアの前でカギを開ける時などちょっとした時に「どこのメンバー?」「なにしてんの?」「よろしくねー」みたいな感じで話します。
だからオフィスに通い始めて数日の間、向かいの机に座っているおっちゃんくらいの認識で「はーい」とか「ばいばーい」とか軽いノリで言ってたりしてたんですが実はCEOじゃん!っていうのをスタートアップを調べているときの紹介ビデオで知ったりするようなことが多々あります。

500の特徴でもあるんですが、メンバーが国際色豊で、確か4,50%はアメリカ以外のスタートアップで、台湾、ブラジル、メキシコなどなど。

「500ファミリー」と言われるようにフレンドリーで先週は向かいのおっちゃん(失礼)に誘われて15人ほどでインドアのレースサーキットでゴーカートをして、晩ご飯をみんなで食べに行ったりしました。

ゴーカートと言っていいのか微妙なラインのガチなレースで、初めてでもそれなりにできるだろとタカをくくっていたらみんな本気すぎて8人全員のベストラップが2秒以内に収まる半端じゃない熾烈なレースでした。やはりこれから世界に打って出るスタートアップには遊びにも競争心が必要なのでしょうか。多分関係ないけど。

その後のディナーではそれぞれのサービスやプロダクトについて話せました。どんなサービス?から始まってマネタイズは?これからのプランは?っていう生の質問をぶつけられる機会は本当に貴重です。

日本からのオフィスツアーなどもあるんですが、そこでちょっと雰囲気だけを見るのと、実際に同じ場所で働いて、遊んで、ご飯を食べて、話をして…っていうのはそのコミュニティに入らなければあり得ないことですし、対外向けの説明じゃなくて自分がどう考えているのか、とかお金持ちになったらといった夢の話など気兼ねなく腹を割って話している雰囲気は説明が難しいですが特別なものだなと。

日本でも注目されて記事になっていたりするスタートアップを見て、「あ、これあの人達のじゃん」ってなるのはすごいなーと日々実感中です。

以前から会いたいと思っていた日本の起業家の方や、デザイナー、エンジニアの方達から直接お話を聞く機会もあり、色々な形がありますが、こういう風に他の世界中から集まったスタートアップの中でインターンできているのはあり得ないくらい幸運だと思います。
もちろんただ口を開けていたら空から降ってきた訳ではなく、色々自分なりに考えたり行動していく中で掴み取れた幸運だという前提で。


"シリコンバレーでは、失敗は2つの意味で祝われる。1つはリスクをとって起業したことに対する賞賛であり、もう1つは失敗から教訓を得たことのお祝いだ。"

といった考え方をよく見かけますし、共通認識としてほとんどのスタートアップが成功しないと思われています。

けど、少なくともあのオフィスの中でで自分たちが失敗することを考えてるスタートアップなんか一つもありません。
そういった人たちを身近に見ながらの冒頭のメッセージは、重みが違ってきます。

REMEMBER:YOU'RE LIVING THE DREAM!
「ずっとワクワクしていたいんだ!」

この普通じゃあり得ない環境の中で、最大限自分に還元できるように成長していきます。