NAVERまとめが好きじゃありません。
最近成功した日本のIT企業の話題、となるとおそらくGREE、DeNA、それとNHN Japanが大半だと思います。
NHN Japanは名前を聞いただけだと「ん?」となる人もまだ多いと思いますが、LINEやNAVERまとめと言うと少なくともネットを使っていればきっと知らない人はいないくらい話題になってますね。
(以前書いたLINEとInstagramの記事)
正直言ってこのGREE、DeNAのソーシャルゲームとNAVERまとめ、LINEは個人的にあまり好きではありません。
漠然と好きじゃないのは感じていたけどそれはなんでだろうと考えてみたら、それは「衆愚」でした。
それぞれビジネスレベルで見たときにはスマホ、SNSの普及などの市況の読みやTVCMなどのマーケティングのタイミングとかで凄いところは挙げたらきりがないんですがこれはもう個人的な趣向の問題で好きではない、という。
ここからはソーシャルゲーム、LINEは少し置いといてNAVERまとめについて書いていきます。
NAVERまとめはキュレーションプラットフォームとして、ユーザーが簡単に画像や動画、テキストなどを「編集」できます。投稿する側のインセンティブとしてPV数に応じて直接お金が手に入る仕組みやSEOなどシステム面の成功要因は多いんですが結局のところブログやニコ動などと同じで消費をするだけじゃなくて生産側になりたいという欲求をくすぐるものだったからだと思います。
何でも試してみてから、と思う質なので何ヶ月か前に作ったことがあります。
[TED]これからの教育に革命をもたらすスピーチ10選まとめ。
大体1万弱ぐらいです。公開してからせっかくトップページに載って一気に流入が増えるかと思ったんですが時差の関係で日本の深夜にかかってしまったことと、はてなブックマークにも載ったんですがその時タイミング悪く同じTEDのまとめが先に載っていたため伸びきりませんでした。
これを作るのに今までみたスピーチをもう一度、さらに目ぼしい教育系のスピーチを粗方見た上で厳選していくっていう作業だったので結構な時間と労力がかかりました。自分で言うのもなんですが記事の内容、密度的には結構自信があったんでもっと伸びてもよかったと思ってます。
けど結局NAVERまとめで数万、数十万Viewを稼ぐのはキャッチーなタイトルでさくっと読めるネットに落ちてる女子アナの写真を貼りつけただけのものや他のサイトからまるまる転載しているだけのゴミみたいな記事がほとんどを占めるのが現状です。
編集が簡単にできるようになって記事制作のハードルが下がって一般ユーザーが大量に流れてきたこと、指標がただのPV数だけだからいかにそれを稼ぐかになってしまったことが要因で、記事や製作者の質を上手く拾い上げるシステムが欠如してるので半ば無法地帯になってるように感じます。
他のブログやニコ動も同じで最初はただの素人が大量流入したことで優れた物が埋もれてしまっていたところから、いいものはそこから確実に拾われていくような仕組みや認識が広がる流れにいくと思うので、数年後にはまた状況も変わっているでしょう。
ブログや音楽、イラストのようなコンテンツもそうですが、最近話題の3Dプリンターなどこれからは製作コストがどんどん下がっていくため消費者であると同時に生産者になっていく時代で、それによって総量が増えて今までよりいいものの絶対数は増えています。
しかしその何倍もの数のどうしようもないものが同時に作られているのも現実としてあります。
ゲームも記事も大衆向けに作るといかにキャッチーで簡潔で誰でも分かるかといったインスタント化していきます。絶対数を考えたらバカでも分かる、できる、読める、作れるものを提供するのが簡単に儲けるのに賢いやり方ですが、それがもたらすのは衆愚です。
だからユーザー参加型のサービスや生産、消費の境界線をなくすようなものは同時に玉石混交の中からしっかりと玉を拾いあげられるような仕組みづくりを最初の段階で真剣にデザインして欲しいです。
NAVERまとめが好きじゃない、と言いましたがそれはキュレーションや編集が一般化していくことによってまた一つインターネットの利用を一つ前に進めるポテンシャルを十分に持っている期待分現状の乱雑さが惜しいと感じたからです。
システムデザインが変わって一つ上のステージに行くのか、このまま衆愚へ向かうのか、編集の未来はどっちなんでしょう。